インクルーシブな保育を目指しているA園での実践では、一人の子どもに対して多様な視点を持ち、理解につなげていくことが不可欠となっている。A園では、地域の療育機関による巡回指導、心理士を含めたケース会議、大学機関研究者との実践研究など、様々な機会を活かして一人の子どもの様子や状態、背景を知るために検討を繰り返し、その子に必要な保育や生活を、チームとして作り出していくことを日常としている。本研究は、外部の巡回指導や心理士の先生方と行っている園のケース会議や研修会で、保育とは違う療育的な視点をもった助言を通し、A園全体や保育者として大切にしていることを検討し、子どもの姿を通してチームで保育を進めることの意味や意義を考察した。