カウンセリング治療において直面する困難事例について提示し、困難の中でセラピーを行うポイントと反省点について省察した。自己愛性人格障害については、セラピストの自己愛についても突きつけられることがあるため、健康な自己愛と、不健康な自己愛との区別等自分の中で消化していく必要がある。また、クライエントに問題を直面化させすぎることも注意する必要がある。セラピストを始めたばかりだった筆者は、クライエントとの面接で、核心を突いたことを言い、クライエントが辛くなったこともある。時期をみて、クライエントが受け入れる用意ができたら直面化するよう促す必要がある。