横浜国立大学の全学共通の教養科目「心理学A」(前期,1~4年次開講)では知覚・記憶・学習・発達の分野を主に扱った。授業では教える側の一方的な知識伝達となりがちな大教室での講義の欠点を補う工夫を行った。①履修生の既得の知識や授業の理解度をチェックするために挙手や指名発言を積極的に促す。②履修生と意思の疎通を図る工夫として,机間巡視を行って声をかける。③取り上げた分野に関する視覚的理解を深める目的でヴィデオ教材を活用する。④履修生の学習意欲を高めるために,知覚や記憶に関する簡単な心理学実験を披露したり,知能検査用具を見せたりした後に,ディスカッションを行う。⑤授業の終了時に提出用紙を配布し,履修生が学習内容を整理する機会が設ける.⑥授業終了後に履修生の質問を受け付ける。この科目は1995年度, 1996年度も担当したが,学生達が新入生向けに作成した授業案内のパンフレットに,推薦する授業として紹介され,両年とも600名以上の履修希望者があり,やむを得ず抽選となった。