ある女子大学生の自我同一性確立の過程に関する事例研究 (筆頭論文)
「横浜国立大学教育紀要」
第35集
心理面接を担当した不安傾向の強い大学生女子の事例について検討した。面接経過を3期に分けて,クライエントの自我同一性確立の過程について分析し,その日本人的な特徴について整理した。日本人は一般的に対人恐怖的心性が強いといわれているが,青年期には,自我同一性確立との関連でそうした傾向がさらに強くなると考えられる。他者との関係性を常に意識しながら,自我の確立を模索せねばならない日本的な自我の確立の難しさについて考察した。共著者:安藤(外山)嘉奈子・平出彦人。