その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 田中 淑江
氏名(カナ) タナカ ヨシエ
氏名(英語) Tanaka yoshie
所属 大学 家政
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

翻訳書、学会発表、講演、作品等の名称

<ポスター発表>仙台市博物館「紫羅背板五色水玉模様陣羽織」の修復について

単・共の別

共著

発行又は発表の年月

2024/06

その他の分類

学会発表

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

一般社団法人 文化財保存修復学会 第46回大会 2024年6月 於帝京大学(東京)

概要

本研究は仙台市博物館所蔵の紫羅背板五色水玉模様陣羽織が研究対象である。本陣羽織は大小の水玉模様は切嵌めの技法で、水玉の輪郭は撚り紐で二重に縁取りされ、デザイン性があり、また仙台市を表装する役割を担ってきた存在価値の高い作品である。損傷箇所の修復により展示、保存できる状態になった。特に羅背板の欠損、袖口と裾の玉縁、前留のボタンの修復及び復元作業は、作品の審美性に影響する重要な案件であった。修復材料の羅背板と玉縁は、専門家との細かな打ち合わせと数回の試作品を経て完成した。前留のボタンは本学で検討を行った結果、オリジナルの作品と調和がとれた仕上がりになった。修復材料の検討過程で羅背板の従来の定義と異なる新たな見解を見出した。また、裏地を修復するために、縫い目をほどくなかで、表の装飾技法である切り嵌めと撚り紐の制作工程を詳細に調査する機会を得た。本修復は修復材料の調達の在り方や染織史、縫製技術の新たな視点を得る機会となった。