【目的】伊達巻は、魚のすり身、はんぺんなどを撹拌しながら砂糖や卵などを加え、型に流し焼成したのち成形する。従来は撹拌する際、すり鉢を使用してきたが、現在は短時間で調製できるフードプロセッサー(FP)を使用する人も多い。そこで、すり鉢とFPによる調製法の違いが伊達巻の物性や食味に及ぼす影響を検討した。
【方法】材料は、すり身100gまたは、はんぺん200g、砂糖20g、卵200gとした。すり身の伊達巻は、すり鉢にてすり身を撹拌、砂糖を添加後、卵を6回に分けて混合した(計9分間撹拌)。FPによる調製は、すり身を撹拌、砂糖を添加後、卵を4回に分けて混合した(計2分20秒間撹拌)。はんぺんの伊達巻は、はんぺんを細かくし、すり鉢またはFPにて撹拌後、砂糖・卵を添加しながら混合した(各々計7分30秒間、計2分25秒間撹拌)。調製した生地はステンレス製の型に充填し、220℃のオーブンで18分間焼成した。物性はクリープメータを用い測定した。また、菜種法による体積と重量から比容積を求め、色彩色差計による色の測定、評点法による官能評価を行った。
【結果】すり身伊達巻において1)すり鉢法で調製した伊達巻の物性は、FP法に比べて破断応力・破断エネルギーが大きい値を示した。2)上部の焼き目は、FP法のL*値とb*値がすり鉢法に比べて高い値であった。3)官能評価の特性では、すり鉢法の伊達巻は硬さと弾力があると評価され、FP法はふわふわ感があると評価された。嗜好では味、硬さ、ふわふわ感および総合評価においてFP法の伊達巻が有意に好まれた。一方、はんぺん伊達巻はすり鉢法の破断応力が大きく、官能評価の嗜好ではすり鉢法の粘りが有意に好まれた。
共著者:近堂知子,梅國智子,米山陽子,三星沙織,江木伸子,平尾和子