田村朝子、木下伊規子、佐々木舞、鈴木一憲
調味料の種類や添加量を変化させ、煮物におけるジャガイモのかたさを物理的、組織科学的に検討した。方法はジャガイモを3.5cm角に切りそろえ、内径20cmの鍋に入れ、水800mLを加え柔らかくなるまで煮て、調味料(食塩、濃口醤油、砂糖、酒)をそれぞれ1種類ずつ濃度を変化させて添加し10分間加熱をした。測定項目は色差測定、破断強度測定、組織観察を行い、煮汁中に溶出したデンプン量を測定した。その結果、食塩を添加して煮た場合、添加濃度が高くなる程、かたくなる傾向があった。組組織的にもデンプン粒が大きく膨化し、細胞壁との間隔が認められなかった。醤油の場合は添加濃度が高くなる程、内部構造がもろくなり、煮くずれが多くなった。砂糖の場合は添加濃度が高くなる程、イモ表面及び内部がもろくなり、煮くずれが多くなった。