木下伊規子、高畠満喜、田村朝子
学校給食において、衛生管理基準、施設の老朽化及び給食運営の合理化などにより施設の更新が行われているが、本研究は、調理業務の外部委託化による学校給食献立への効果について明らかにすることを目的とした。方法として、A市学校給食センターは、平成21年9月より調理業務を民間へ委託し給食運営を行っている。そこで、当学校給食センターにおいて実施された平成20年9月~平成21年7月(直営期とする)及び平成21年9月~平成22年7月(委託期とする)の2年間の学校給食献立を調査対象とし献立の構造解析を行った。その結果、給食提供日数は、給食提供数(小、中学校及びセンター)は、直営期、委託期ともにほとんど差はなかったものの、調理員数は、直営期は23名、委託期は31名であり、直営期と比較し、委託期は食品数、料理数の増加が見られた。1日当たりの料理数を比較したところ、委託期で増加した。以上より、人数や作業性の関係で難しかった安全性向上への工夫や手作りへの取り組みが、今回の調理業務委託によって可能になったと考えられる。