p.101-106
文献調査ならびに資料作成を担当
田村朝子、伊藤梢、山岸あづみ、木下伊規子
本研究では、手指および調理台の洗浄剤として、フキ葉、キク葉、緑茶沸騰水抽出液を用い、その洗浄・消毒効果をATPふきとり検査法で検討した。フキ葉、キク葉、緑茶沸騰水抽出液の総ポリフェノール量はFolin-Denis法で測定した結果、葉の濃度が高くなる程、総ポリフェノール量が高くなり、フキ葉、キク葉に比較して、緑茶の抽出液が最も高くなった。手指の消毒では、ATP量が常法およびフキ葉、キク葉抽出液では管理基準値の1500RUL以下になったが、緑茶抽出液では下回らなかった。調理台の洗浄・消毒においても、手指の洗浄と同様、ATP量が常法およびフキ葉、キク葉抽出液で管理基準値の200RUL以下になったが、緑茶抽出液は基準値以下にならなかった。以上の結果から、フキ葉およびキク葉抽出液を手指および調理台の洗浄剤として用いた場合、ATPふき取り検査法でその効果を判定することが可能であることが明らかになった。しかし、ポリフェノール含量の高い緑茶抽出液ではATPふき取り検査法では効果判定ができない場合があることから、細菌培養法で事前に効果を確認しておく必要があると考えられた。