p.25-31
文献調査ならびに資料作成を担当
高畠満喜、石井幸恵、木下伊規子、田村朝子、秋山聡子、君羅満
学校給食施設・設備の更新が学校給食献立へ寄与する効果について明らかにすることを目的とした。システム更新前後1年間に実施された計2年間の学校給食実施献立を調査対象とし、献立の構造解析を行った。システム更新前の1999年と比較し、システム更新後の2000年度は、料理数、食品使用数、食品種類数、食品使用料(g)及び調理操作数の増加が見られた。この要因として、ドライシステムの導入及び学校給食施設・設備の更新により、調理員の作業環境が向上し、調理の作業効率が上がったことが考えられた。食品群別食品使用数及び食品群別食品使用量において、野菜類、果物類、きのこ類といった洗浄を行う食品の増加がみられ、野菜類、果物類については、食品種類数についても増加していた。これらの食品の増加に伴い、「食材を洗う」、「生もの」、「切さい」の調理操作が増加した。このことより、ドライシステムを導入したことで、跳ね水による二次汚染の危険性が減少し、水を使用する調理操作においても衛生管理の徹底が行えるようになり、洗浄を行う食品について献立に取り入れやすくなったことが示唆された。以上のことより、システム更新により、衛生管理の徹底が出来るようになったとともに、使用食品及び調理操作の幅が広がり、献立内容の充実も図られたことが考えられた。