家政学・家庭科教育の学術用語としての「家庭」について概念規定の歴史的変遷を辿り、環境世界としての視座、人間存在としての視座、ゲマインシャフトとしての視座において哲学的に言及し、さらに家にいること=Georgenheitの存在論的思考を試みその多層性、多重性を導出した。その上で現代における「家庭」の位置の不安定な状況と未来について立論を試みた。
(※本論稿は、2022年2月24日付朝日新聞「論壇時評」にて〈変容する家庭〉と題する林香里東大教授の書評の対象となった。また、2023年度の早稲田大学、関西大学及び2024年度の獨協大学の入学試験(国語科)に使用され、同大学及び代々木ゼミナール、世界思想社教学社、ジェイシー教育研究所、日本著作権教育研究会、旺文社、ブルームーン社等からの著作物使用の許可依頼を受けた。)