家政学部における戦後の児童学科の変容について、家政学部の人材養成などを踏まえて分析した。児童学科は家政学部のみならず教育学部や福祉学部にも存在するが、家政学部において使用されてきた児童学科の名称は、当初の児童学科という名称から、「子ども学科」「こども学科」「幼児教育学科」などと多様に変化していることがわかった。学部が成立するためには、例えば「子ども学」「こども学」などの学問の成立と不可分であるが、そのようなことが理念として掲げられているわけではなく、今までの名称からの新鮮さを求めての変更とも読み取れる。学問としての成立と大学の教育課程としての名称の整合をつけながらも、なお家政学における児童学科の独自性を追求する必要があると考えた。