107頁-119頁。共立女子大学において1999-2008年に家庭科教員の免許状を取得し、教職に就いた卒業生教員の動向と問題意識を把握するために意識実態調査を行った結果とその分析。対象者93名において、卒業時から正規雇用の場合は継続して仕事に就いているが、非常勤や常勤講師の場合はごく一部が正規雇用に至るのみであった。これは卒業生自身の問題ではなく、家庭科教員の採用自体が少ないことによる。しかし、仕事は激務であるにもかかわらず、家庭科という教科に対する愛着と子どもへの教育への効果を期待し、その意識と気力を礎に教職に就いていることがわかった。今後の大学としての卒業生支援の在り方が方向づけられた。