首都圏在勤の公立・私立保育所および幼稚園の保育者を対象に質問紙調査を実施した。質問項目は、どのような保育を実践したいか、それはどのくらい実践できていると感じているか、できていない点は何が改善すべき課題かの3項目である。自由記述で回答してもらった結果、保育所の保育士は制度を含む保育環境を、幼稚園の保育者は自分の力量を課題として認識していることが顕著に顕われた。また、経験年数による分析では、5-10年の経験者は、いずれの項目でも幼稚園・保育所の別なく際だった数値が認められなかった。このことは、保育者としての目指す保育、および自己課題を明確にもちにくい要素がはたらく経験年数であることを示唆しており、今後の研修等の在り方を考える有効な資料としての価値をもつ結果であるといえるだろう。
共同研究者:入江礼子・上垣内伸子・小原敏郎・酒井幸子・白川佳子・内藤知美