保育者の語りに表れる省察の質(査読付)
保育学研究第50巻第2号, pp.64-73,日本保育学会
保育者が語りながら保育の文脈を見出すプロセスは、子ども理解を深め、確かめ、保育行為の根拠を自覚し、文脈の先端に今後の保育を構想する、省察そのものである。本研究では保育者の省察が、保育記録を書く行為とともに行われる場合と聴き手に語りながら行われる場合で、違いがあるか否かを追究した。文字化し書く作業において保育者は、省察の内容を凝縮し、端的な文字表現に変換する。語りの場合は何度も言い直しながら、実感に即した言語表現が模索できることを論じた。