その他の研究業績等に関する事項

基本情報

氏名 深津 佳世子
氏名(カナ) フカツ カヨコ
氏名(英語) Fukatsu Kayoko
所属 大学 家政
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

翻訳書、学会発表、講演、作品等の名称

乳癌組織におけるエストロゲン受容体発現の有無とグルコーストランスポーター発現の違い

単・共の別

共著

発行又は発表の年月

2021/04

その他の分類

学会発表

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

第110回日本病理学会総会(東京)

概要

中西陽子、西巻はるな、小林博子、大荷澄江、楠美嘉晃、唐小燕、廣谷ゆかり、岩井桃子、深津佳世子、増田しのぶ

【はじめに】グルコーストランスポーター(GLUT)1 は、様々な悪性腫瘍に過剰発現していることが知られており、乳癌でも全生存期間との関係が報告されている。本研究では、エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌とトリプルネガティブ(TN)乳癌症例における GLUT 発現について検討を行った。【方法】日本大学板橋病院で診断された TN 乳癌 20 例と ER 陽性乳癌 11 例を対象とした。FFPE 切片の腫瘍細胞より total RNA を 抽 出 し、RT-PCR 法 で SLC2A1(GLUT1)、SLC2A2(GLUT2)、SLC2A3(GLUT3)、SLC2A4(GLUT4)の遺伝子発現解析を行い、免疫組織化学により、GLUT1、GLUT2 タンパク発現を検討した。【結果と考察】GLUT1 発現は TN 乳癌で 18/20 例(90.0%)に陽性で、ER 陽性乳癌 1/11 例(9.1%)に比して有意に高発現であった(p<0.05)。また SLC2A1 mRNA 発現も、TN 乳癌は ER 陽性乳癌に比して有意に高発現を示した(p<0.05)。GLUT2 はタンパク発現、mRNA 発現ともに全例陰性であった。SLC2A3 ならびに SLC2A4 mRNA 発現は両者で有意な差異は認められなかった。TN 乳癌は有効な治療法に乏しいが、近年、TN 乳癌細胞株に対して GLUT1 阻害剤の有効性が期待されている。TN 乳癌の中でも GLUT1 発現症例を適切に見出すことが重要になる可能性がある。