これまで継代培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は,高グルコース(HG)暴露による細胞障害が引き起こされないことより,血管障害研究に向かないとされてきたが,その理由は知られていなかった。本研究において,培養HUVECの鉄含量が継代に伴い急速に減少することを確認し,約10 %の鉄補充により継代培養細胞を用いた基礎研究が可能になることを見出した。それにより,HGによる細胞障害が引き起こされるためには鉄という因子が必要であること,またその細胞障害はアポトーシスを介していることを発見した。
共著者:Sasaki K, Hashida K, Michigami Y, Bannai S, Makino N