小中学生における健康教育の現状と看護専門職(以下、専門家)の役割可能性を模索するため、A市公立小中学校35校の教諭を対象としたアンケート調査から記述統計と内容分析を行った。結果、健康教育の内容として小学校では「健康な生活」「薬物乱用」「喫煙飲酒」が多く、「高齢者理解」「障害者理解」は過半数の学校が実施していた。一方、「メンタルヘルス」や「救命教育」は少ない状況であった。中学校では「救命教育」「乳幼児理解」は過半数が実施していた。また今後重点的に取り組む内容として「障害者理解」「生命尊重」を挙げていた。課題として、専門家及びボランティアの導入、教材開発等を挙げており、特にメンタルヘルスや救命、障害者・病者理解等において、専門家をリソースに心身の健康理解について教育していくことの必要性が示唆された。