既存研究より初等中等教育における「いのちの教育」の動向と課題を把握し、看護専門職が「いのちの教育」に関わる意味やアプローチ方法について考察することを目的に実施した。方法は文献検索とし、2015年5月までの10年間、CiNii及び医学中央雑誌を情報源として、網羅的検索とハンドサーチを行った。結果、いのちの教育における課題として、死を扱うことへの教師の偏見、否定的要素(死、病気、喪失体験、悲嘆)を取り上げる困難さ、教材の精選、教員の研修のあり方、学校全体の中で合意を得る困難さが挙げられた。今後、教育現場では対応困難な健康を軸とした問題に対して、看護専門職をリソースとすることで小学校から高校まで継続的に関わることの必要性が示唆された。