講演「能勢克男を映画史に書き加える」
立命館大学
平成22年12月5日能勢克男は1920年代後半から1930年代にかけて、消費組合運動を背景に中井正一らと映画運動を展開した。その運動はアヴァンギャルド的な映像表現を指向しながら、組織的・政治的な運動をも軽視しない特異な運動だった。従来の映像観におさまらないがゆえに無視されてきた、その存在を映画史に導入することで、プロレタリア映画とアヴァンギャルド映画のはざまで豊かな映像世界をつくりあげてきた映画史の潮流がクリアーになってくることを論じました。