「京都記録映画を見る会について」
『早稲田大学演劇博物館紀要演劇映像学』
1955年から62年まで活動した京都記録映画を見る会は、日本で唯一、自主上映をおこなった映画観客団体だった。ドキュメンタリー映画の自主上映から始まった活動は実験映画の上映・製作にまで展開する。その特徴は戦前に能勢克男らが展開した消費組合運動を前史として持つことに根差し、消費組合運動の中で実践された美学思想が、戦後にシュルレアリスム思想を吸収して、実験映画の受容と製作の基礎となったことを論じました。