「プロキノ研究史がかかえる問題」
1920年代後半から30年代にかけて展開されたプロレタリア映画運動(プロキノ)。その存在は伝説的な抵抗体として語られてきたが、実は、そのフィルムと資料が戦後発掘されていく研究史を調べると、共産党を除名された人々が中心にあったことがわかる。しかし、その事実が隠されてきたことは、プロキノが同時期のアナキズム系の映画運動の可能性を抑圧する面をはらんできた課題と同質の問題をはらんでいることを論じました。