マーケティング課題が高度化し市場環境・情報環境が大きく変わる中で、今日的な視点から従来のリサーチ手法の価値及び限界を整理し、マーケティング・リサーチを正しく実施するための方法と実践導入を解説した書籍である。特に、市場創造に繋がる知見の獲得に焦点が当てられている。
B5版(変形) 全226頁
共編著:朝野煕彦(編著)、新條善太郎、高田夕子、森戸香奈子、橋本紀子、田平博嗣、村山幹朗、野沢誠治、星野朝子
本人担当部分:第9章「生活者の変化をとらえる時系列調査」では、時系列調査の特徴から始め、次に設計とマネジメントについて述べ、実際の運用において注意すべき点について触れている。中心部では、調査結果からどのようにビジネスに有用な発見や創造に繋げられるかを実際のコホート分析を用いた事例で説明している。(pp.151-165)。
補章「マーケティング・リサーチDo's and Don'ts」の12.「購買履歴データについて」では、POSデータとID付きPOSデータとの違いについて触れたのち、今後、ID付きPOSデータの重要性が増していくが、共に補完しつつ、お客様や市場の理解に繋げることが重要と述べている(PP.200-201)。
13.「販売量を予測するには?」では、市場全体と新商品の需要予測について解説している。市場全体では時系列予測の考え方を、新商品では、模擬店などによる調査をベースとしシミュレーションモデルを使って実践できることを示している(PP.202-203)。