『台湾の言語と文字―「国語」・「方言」・「文字改革」―』
勁草書房
本書は、日本語から標準中国語へと「国語」の言語転換を余儀なくされた戦後台湾で生じた言語問題とエスニックな対立を中心に、「脱日本化」と「中国化」の潮流の下、推進/抑圧の明暗が分かれることとなった「国語」/「方言」関係、失われた「文字改革」の契機などについて、台湾の言語・文字政策の歴史的な再検討を試みた。従来においては、抑圧的側面が過度に強調され、一面的評価に終始しがちであった国民党による言語政策が、実際には内に多様な意見や方向性を擁していた事実を明らかにした。(全386頁)