「戦後初期台湾における脱植民地化と「日本」―台北市の中国初「9年制義務教育」計画―」
第三回日本研究年会国際シンポジウム(於:台湾・国立中山大学)
本報告では、戦後初期の台湾・台北市において、8年間の義務教育を可能とさせていた日本統治時代の「高等科」の教育遺産を継承しつつ1948年に中央政府に対して提出された中国初の「9年制義務教育」計画に着目して検討した。中国の教育近代化を牽引する大きな役割が期待されつつも、最終的に中央政府により却下され、1967年まで実施に至らなかった同計画の誕生と帰結から、東アジア戦後教育史の新たな一側面を明らかにした。