「台湾における言語政策とアイデンティティ問題―母語教育、ピンイン論争を中心に―」
日本国際文化学会第4回全国大会(於:法政大学)
本報告では、1990年代からの母語教育、並びに中国語の音標表記システムをめぐる「ピンイン(拼音)論争)論争」をとり上げて考察した。中国標準語である「国語」を推進する単一言語主義から、1987年の戒厳令解除に伴う民主化を経て、各エスニック・グループの母語尊重へと移行していった変遷過程および台湾独自の「通用ピンイン」採用をめぐる論争の検討を通じて、複雑な台湾のアイデンティティの諸相を言語政策面から考察した。