「中華文化復興運動と「方言」問題(1966~1976)―マスメディアの「方言番組制限」に至る過程を中心として―」
日本台湾学会『日本台湾学会報』
第5号
本論文では、1966年から台湾で始動された「中華文化復興運動」が、単なる伝統文化の復興にとどまることなく、文化的画一化の動きをもたらしたこと、それが「民族の団結を促進させる」名目において「国語」の優位性の構築と確立に及ぼした事実を論じた。一連の流れは「放送テレビ法」制定をもたらしたが、同法に盛り込まれた方言番組削減規定が後にエスニックな確執を増幅させ、皮肉にも「民族団結」の阻害要因となった点を指摘した。