「台湾における「本土化」と言語政策―単一言語主義から郷土言語教育へ―」
早稲田大学アジア太平洋研究センター『アジア太平洋討究』
第12号
本論文では、戦後台湾の言語政策を1945年から2008年まで概観し、中国標準語である「国語」を推進する単一言語主義から、1987年の戒厳令解除に伴う民主化を経て、各エスニック・グループの母語を尊重する多言語主義へ移行していった変遷過程とその限界について検討した。特に学校教育で2001年から義務化された「郷土言語教育」という名の“母語”教育政策の実施と現状の分析を通じて同政策の問題点や課題について明らかにした。