「「国語」推進と民族団結―蔡培火と戦後台湾の言語問題―」
早稲田大学アジア太平洋研究センター『アジア太平洋討究』
第13号
本論文では、「国民党に篭絡された」として戦後ほとんど注目されてこなかった著名な台湾籍政治家・蔡培火に着目し、彼が方言(閩南語=台湾語)の重要性を提起し続け、その手段として日本統治期の「白話ローマ字」運動に続く形で「閩南語注音符号」の提唱活動を行っていた軌跡を跡付けることで、日本統治時代と同様、戦後も統治者としてではなく一人の台湾人として一貫して方言の重要性を主張し続けた事実を明らかにした。