「台湾化の行方―馬英九政権の文化政策―」
早稲田大学アジア研究機構『ワセダアジアレビュー』
第11号
本論文では、2008年に政権を奪回した馬英九政権の文化政策が、2000-08年の民進党政権期に進められた脱中国化・台湾化といかなる連続性ないしは断続性をもって展開されようとしているのかを中心に分析を試みた。民進党時代に比べ、中華民族意識の強調という点では脱中国化に一定の歯止めがかけられたものの、中国の「孔子学院」に対抗する「台湾書院」政策などは「台湾」の主体性の強調という点で注目に値することを指摘した。