「日本敗戦による国境の変容と人の移動―在台沖縄出身者の回想を手がかりとして―」
名桜大学『名桜大学紀要』
第22号
本論文では、1945年の日本敗戦による人の移動について、沖縄出身者の経験と回想に焦点を当てて検討した。台湾人や中国兵との接触を通じて、沖縄と台湾の親密な関係性を示す「琉球人」としての扱いなど、たとえ植民地支配を背景とした「影としての移動の歴史」であっても、草の根レベルでの接触や交流を記録化し、共有化することの重要性を提起した。