「台湾の文化政策にみる蒋経国の「本土化」補論」
立命館大学社会システム研究所『社会システム研究』
第38号
本論文は、戦後台湾の文化面における蒋経国の「本土化」政策とその意義について補完的な検討を行った。在地の文化を中心に据えた「本土化」文化政策の実施は、その後の国民党が進む新たな方向性の道筋をつけるものとなり、結果的には蒋経国の「本土化」政策が後継者となる李登輝の政治的正統性と政権の安定を担保するものとして機能した点を明らかにした。