「1940年〈東京オリンピック〉返上と日中米IOC委員のオリンピズム ―王正廷とエイブリー・ブランデージを中心に―」
日本国際文化学会『インターカルチュラル』
第19号
本稿では、1940年〈東京オリンピック〉返上をめぐる経緯について、主に国際オリンピック委員会(IOC)の日本・中華民国・アメリカの代表委員およびそのオリンピズム(オリンピック精神)理解のあり方に着目して検討した。特に、中華民国IOC委員の王正廷が主張した東京大会ボイコットに対して、日中の“間”の存在としての米国籍IOC委員アベリー・ブランデージによる主張と彼が果たした役割に焦点を当て、日中米委員によるオリンピズム理解の相違について明らかにした。