「「教育部文化局」にみる「国民化」の諸相―台湾における「教育」と「文化」の一考察(1967~1973)―」
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科『アジア太平洋研究科論集』
第8号
本論文では、国民党政府の教育部文化局(1967~1973年)に焦点を当て、“内戦”状況下を強く意識して設置された同機関が同時期に発動されていた蒋介石の「中華文化復興運動」を行政側から支援する役割を担っていたことを明らかにした。文化局の活動を通じて「良き「反共」中国人」育成が図られた冷戦下での「国民化」も、結局のところ蒋経国による「文化建設」では継承されることなく短命に終わったことも指摘限界について考察した。