日本では「インクルーシブ教育システム」が,特に学童期以降,展開が図られているところである。しかし,乳幼児期の障害のある子の受け入れに関しては,元々,地域の幼稚園や保育所がその役割を担ってきた部分が大きく,現在に至っている。また,幼稚園教育要領等では,「一人一人の特性に応じ,発達に即した指導」を行うことが,障害の有無にかかわらず共通する基本的な考え方として示している。他児を意識できる環境の中で,一人ひとりが遊びを通して充実感や達成感を持つという生活は,インクルーシブ教育システムが目指す基本的な方向性と重なるところが大きい。本シンポジウムでは,3人の話題提案により,乳幼児期のインクルーシブな保育の意義と可能性について考えた。(企画・司会 広瀬由紀 話題提供 岡本仁美・守巧・若月芳浩 指定討論 太田俊己)