近年,保育現場を中心に「気になる子」という言葉が多く聞かれる。「気になる子」問題は,気になる対象を「子ども」に据え,個々の問題に帰すのではなく,気になっている保育者自身,子どもを受けとめる保育自体の問題を問いながら取り上げる必要性がある。本園では,どの子も「特別」ではなく一人の子として受け止め,仲間との関係・成長を支えていくよう配慮を考える存在として捉えている。本研究では,その中で共に生活する子どもたちが,どのように互いに知り合い,関係性が芽生え,深めていくかについて,あるクラスの年長児に注目し様相を明らかにしつつ,その過程に係る要因を考察した。(夛田彩音・加藤 和成・鶴巻 直子・広瀬由紀)