本研究は,“向き合う”という行為が保育のなかでどのように行われ,一人ひとりの子どもとどのような関係性が築かれ変化していくのかを再確認し,よりよい向き合い方を検討していくことを目的とし,子どものエピソードを持ち寄り教諭とともに検討した。その結果,園の教師は一対一の個別的なかかわりから始まる“向き合う”を大切に考えてきたが,子どもの気持ち感じながら保育を作ることが繰り返されてきたときに,皆にとって意味のある保育へと変化していくのを実感していた。そして一人ひとりと向き合っていくためには,そのタイミングや時期,内容,環境,遊びなど,その時向き合う必要を感じさせる子どもにより違いがあるので,その子のための準備や保育が必要であるとも感じていたと考えられる。(加藤和成・鶴巻直子・月澤未来・小林さゆり・齋藤由佳・広瀨由紀)