本研究では,特別な配慮を必要とする子どもの育ちを保育者が生活のどのような場面で実感し,評価しているのか,その実態をエピソード記録から読み解き,子どもたちを支える保育者の視点を明らかにすることを目的とした。以上の結果から,配慮を必要とする子どもと他児の育ち合う姿を見ることができたと同時に,保育者が葛藤場面から双方の育ちを見出そうとする姿も明確となった。また今回の事例は葛藤を重ねる中で,相手に合った解決策を模索するといった子どもたちの成長を生み出していることも明らかにした。(太田顕子・広瀨由紀・三宅美由紀)