統合保育の実状とそれに対する意識について,実地調査,参観,面接等を行った結果を踏まえ,考察を行った。統合保育場面の実状としては,保育内容の柔軟度が低くなること,子どもの主体的な活動が保障されづらいことへの懸念を示した。また,保育者の意識については,統合保育の成果への認識が高いという面が見られた一方で,障害幼児に限って個別的に対応する内容が多いため,多様な全ての幼児が,包括的に充実する保育を,という視点から離れる危険性を指摘した。本研究では,代表者となり,調査・執筆を行い,著者の監修を得た。(広瀬由紀,太田俊己)