本研究は、特別な配慮を要する子どもの規範への逸脱行為に限定して、保育者がその場の状況をどのように捉え、援助を考えるのかを分析し、関わりの違いや逸脱行為が起こる場面による違いを含めて明らかにすることを目的として、仮想場面に対する保育者の回答を分析した。その結果、保育者は特別な配慮を要する子どもが規範の逸脱行為をした場面において、状況や実体を把握したのち、言葉に表すことが難しい子どもの気持ちを代弁しようと努めながら関わりの判断をすること、関わりの段階においては子どもたち同士に考える機会を持つというよりは、保育者による身体的介入やモデル提示、受容といった関わりを考える様子がうかがえた。