「気になる幼児の教育の実態に関する調査」に対する追加調査として,関西地区2市に実地調査を行った。K市については教育委員会担当者,A市については公立幼稚園教諭4名に面接調査を実施した。その結果,K市については,全国的にも早期から開設された通級指導教室の担当教諭が,今日まで継続して園内の気になる幼児の支援も行っており,市内での特別支援教育コーディネーター組織が機能していることとあいまって,特別支援教育水準の向上に寄与していた。A市では,障害のある幼児に支援教諭が密に配置されており,手厚い教育支援が行われていた。地域におけるこうした特別支援教育の仕組みが,障害のある幼児への園内支援の向上に役割を果たしているとともに,幼稚園教諭の特別支援教育に関する資質の向上にも成果を上げている点について考察した。(太田俊己・藤井惠美子・金谷公子・酒井幸子・浅川茂実・広瀬由紀・室井佑美・相沢和恵・前田泰弘)【査読有】