本発表では、学習者の発話の誤りに対し、自然な言い直しを与える「リキャスト」と、自己訂正を促す「ネゴシエーション」の効果を、Pre-post test designを用いて比較した実験研究について報告した。対象者は中上級学習者10名で、対象とした誤りは、受身・受益表現である。結果として、処遇の直後は、発話を多く誘出する点ではリキャストが、形式の正確さではネゴシエーションが勝っていたが、2週間後にはどちらも効果が消失したことを報告した。また格助詞の誤用には、どちらのフィードバック手法とも改善が見られなかったことを報告した。