本発表は、リキャストの気づきと認識のレベルが助詞と動詞とで異なる可能性を指摘した菅生(2011於日本語教育学会春季大会)を踏まえたものである。中級学習者7名に対して、タスク中に発話の誤りにはリキャストを与え、終了後に刺激回想インタビューを実施した。助詞と動詞の誤りを1つのリキャストで訂正した事例を抽出し、両方の訂正の気づきと認識を探った。その結果、助詞と動詞の誤りに対するリキャストのいずれにも気づいた例は有意に少なかった。一方、動詞のみに気づいた例が有意に多く、また訂正理由も正確に認識されていたことを報告した。