文法項目を特定したリキャストの効果に関する研究概観ー文法項目の特性とリキャストの与え方に着目してー(査読付)
第二言語としての日本語の習得研究 第二言語習得研究会
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本稿は展望論文である。自然な言い直しを与える「リキャスト」がどのような文法項目に効果的に作用するのか、また「リキャスト」の与え方が効果に影響するのかを明らかにすることを目的として、19の研究をレビューした。その結果、対象項目の種類(語彙的な項目、形態素的な項目、統語的な項目)と特性(卓立するか、語順操作が容易かなど)が効果に関わる可能性があると報告した。本論文は2013年12月、第二言語習得研究会 第 2 回 佐々木嘉則賞を受賞した。