EGCGは生理的pHの条件下で自動酸化されることから、腸管吸収性が低い。フラクトオリゴ糖(FOS)は腸内細菌によって発酵され、管腔内のpHを低下させる。本研究では,FOSがEGCGの血中濃度を上昇させる かについて検討した。EGCGを0.3%(w/w), FOSを1,3,5%(w/w)となるように食餌配合 し,ラットに2週間摂取させた。その結果,5%FOS配合群においてEGCGの血中濃度が上昇した。盲腸内容物中の乳酸が増加しており,FOSの配合量依存的にpHが低下した。また,腸内細菌叢の解析によりLactobacillusとCollinsellaの有意な上昇が認 められた。以上より,FOSは腸内細菌による乳酸産生の基質となり,EGCGの管腔内安定性を保つことで血中への移行が増加し たと考えられた。(全7ページ)
共著者:Tomonori Unno, Yoshiharu Araki, Shun Inagaki, Makoto Kobayashi, Masaki lchitani, Takanobu Takihara, and Hitoshi Kinugasa
担当部分:研究計画の立案,実験の遂行, データ解析と考察論文の執筆を行った。