腸内細薗は,チロシンからp-クレゾールを生成する。これが体内に吸収され,硫酸抱合を受けてクレジル硫酸となる。クレジル硫酸は糖尿病性腎症の進展に関与しているとされる尿毒素である。本研究では,マウスを用いた動物実験にお いて,緑茶に含まれるEGCGが生体内のp-クレゾール濃度を効果的に低減することを明らかに した。一方,EGCGをタンナーゼ(加水分解酵素)で処理すると,血中と尿中のpクレゾールの抑制効果が消失したことから,カテキン 骨格に没食子酸が結合していることが重要であ ることが確認された。また,腸内細菌叢の解析によって,EGCGの投与は,門(phylum)レベルではFirmicutesを有意に低下させ,目(order)レベルではClostridialesを有意に低下させた。(8ページ)
共著者:Tomonori Unno, Masaki lchitani
担当部分:研究計画の立案,実験の遂行,デー タ解析と考察,論文の執筆を行った。