本研究は、震災後の自治体職員のメンタルへルスの状況や震災後の業務での苦労の推移を把握する事を目的として、宮城県の 2自治体で働く職員を対象に 2012年と2013年の2回、質問紙調査を行った。有効回答は、初回は466名(男性298名、女性 164名)であり、2回目は429名
(男性286名、女性142名)で あった。「IES-R」及び「精神的健康調査(GHQ-12)」の結 果、外傷後ストレス症状を有するリスクが高い(IES-R≧25)職員は21.2%であり、初回の 22.1%より若干減少した。一方、精神的健康状態が悪い可能性の職員(GHQ≧3)は10.7%であり、初回の9.4%より若干増加した。勤務に関しては、「十分な休暇が取れなかった」の肯定率は57.5%から26%に減少し、 「震災に関係する業務が多く、非常に忙しかった」も65.1%から26%に減少した。しかし、職場の人間関係では、「仕事上の問題点や責任を追及されることが多かった」が、12.4%から15%に増加した。(共同研究につ き、本人担当部分抽出不可能)共著者:桑原裕子・髙橋幸子・松井豊