本研究は,各逆境における経験の有無や精神的回復・健康を男女で比較し,社会的逆境の性差に関する基礎的情報を収集することを目的とした。その結果社会的逆境経験は,種類に関わらず主に女性が男性よりもつらさを感じやすい可能性が示唆された。一方,プラスになった程度は,男性が女性よりも感じやすい可能性が示唆された。このほか,「家族との不和・対立」「原発事故による被害」から立ち直りプラスになったと感じていた。一方,女性は男性よりも
「親しい人の離別」から立ち直りプラスになったと感じてい た。ただし,立ち直りとプラスになった経験の性差は約半数の逆境においてのみ見られたことから,他要因との関連から逆境の特徴を検討する必要がある。
(共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)
共著者:兪善英・髙橋幸子・堀毛一也・安藤清志・大島尚