本研究は,被災した自治体職員の健全なメンタルヘルスを維持するための対策を検討することを目的とした。質問紙調査の結果, PTSD症状を有する高リスク者(IESR-Jが25点以上)は全体の8.6%,気分・不安障害である可能性が高い者(K6が10点以上)は全体の6.0%であった。また9割以上は自治体が用意したケアか自ら行ったケアを行っており,特に,自ら行ったストレスケアを行った人はストレス得点が有意に低く,PTSD症状のハイリスク者も有意に少なかっ た。以上の結果から,復興期のストレス対策として、深刻なストレス状況の原因である職場環境の改善,十分な休暇の付与,自治体主導のスクリーニングを中心としたケアを提案した。
(共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)
共著者:髙橋幸子・松井豊