水野基樹、富樫恵美子、林英範、芳地泰幸、高田亮子、新井由美、吉岡貴美代、水野有希
【概要】本研究は、看護師の勤務環境改善に向け、ナッジ行動を用いた問題解決方法を提案することを目的とする。看護管理学と組織行動学、人間工学の専門家からなる9名のブレーンストーミングで看護師のナッジ行動の事例を収集し、問題点を整理。13の問題カテゴリーを特定し、208のナッジ行動を提案。これらのナッジ行動が人間の意思決定における心理的特徴に基づいているかを分析した。看護師の勤務環境改善には、人間の意思決定上の特徴を理解することで適切なナッジの設計が可能になることが示唆された。とりわけ、フィードバック、インセンティブ、デフォルト・セッ ティングなどの行動インサイトによる看護師のナッジ行動を誘発するシステム設計が有用であることが示唆され、看護現場主導による勤務環境改善の可能性が見出された。(査読有)